既存のSEO顧客にAI検索対策を追加したいのですが、どのツールがいいですか?SEO会社が顧客向けに使えるAI検索対策ツールはありますか?AI検索対策を月額サービスとして提供しやすいツールはどれですか?

SEO会社・代理店向けLLMOツール8選|複数クライアント管理・日本語対応・月額サービス運用を比較【2026】

By Citadex on Sep 18, 2026 ·

SEO会社・代理店向けLLMOツール8選|複数クライアント管理・日本語対応・月額サービス運用を比較【2026】

要点:

  • 複数クライアントのAI検索露出を一元管理できるLLMOプラットフォームは、代理店の月額サービス化に直結する基盤となる。
  • 日本語市場では、日本語クエリをどのように処理・計測するかが、ツール選定における重要な評価基準の一つになる。
  • 代理店向け機能(マルチクライアント管理・白ラベルレポート・権限分離)を持つツールは限られており、選定前に必ず確認すべきだ。

ChatGPT、Gemini、Perplexityといった主要AIエンジンが購買意思決定に影響を与え始めた今、SEO会社や広告代理店にとってLLMO(LLM最適化、AEO/GEOとも呼ばれる)は無視できないサービス領域になっている。本記事では、代理店が複数クライアントのAI検索露出を管理し、月額サービスとして提供するための実務的な視点から、主要8ツールを比較・評価する。

代理店向けLLMOツール8選:まず比較

選定を急いでいる場合は、まず以下の比較表から確認してほしい。対応エンジン、代理店向け機能、料金体系は各社で大きく異なる。

ツール対応AIエンジン数エージェンシー機能無料トライアル価格の目安強み注意点
AthenaHQ11+ありなし(無料ティアあり)無料Essentialティア(非公開)、Starter 非公開、Enterprise カスタム元Google・DeepMindエンジニア設計、AIエージェント実行機能クレジット課金のためスケール時のコスト試算が必要
BrightEdge主要3エンジンを公式製品ページで明示(契約時要確認)エンタープライズ向け非公開カスタム(要問合せ)既存SEOプラットフォームとの統合、DataMind AIAI Catalystの公式製品ページではChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsを主要対象として明示している。BrightEdgeの最近のAI Search研究ではGeminiやGoogle AI Modeも扱われているため、契約時には実際に利用できるエンジン範囲を確認したい
Citadex最大11(プラン・アドオンにより異なる)あり7日間Starter $39/月〜、Pro $179/月〜、Business $469/月〜多言語・マルチマーケット対応、最大11エンジン、モニタリングからコンテンツ改善まで一体化Starterは4エンジン。Pro / Businessは標準7エンジンで、追加エンジンはアドオン対応
Goodie最大12(Enterprise)あり(Agency Growth、Pitch Workspace、Client Workspace)Agencyは要確認Agency Growth 非公開、Client Workspace 非公開AI可視性・コンテンツ最適化・収益帰属を一体化、代理店向けPitch WorkspaceClient Workspaceは別料金。広いモデルカバレッジは上位プラン
Otterly.ai4コア + 3アドオン(最大7)あり非公開非公開低いエントリー価格、50か国以上対応Gemini・Google AI Mode・Claudeは有料アドオン。Grok・DeepSeekは現行プランに含まれない
Peec AI6標準、Enterpriseでは最大13モデルあり(専用Agencyプラン)ありAgency Essential 非公開複数クライアント管理、柔軟なモデル・プロンプト配分、多国・多言語対応利用量に応じたクレジット設計のため事前試算が必要
Profound複数エンジンあり(Agency Mode、Pitch Workspace、Client Workspace)非公開Agency Growth:Client Workspaceごとに非公開見込み顧客向けPitch Workspace、Client Workspace、統合請求クライアント数が増えるとWorkspace単位で費用が増える
Scrunch最大9あり(Multi-client Workspace、Prospecting Environment)7日間Agency Core $500/月〜API-first、white-label outputs、AI Bot / Referral分析EnterpriseではGrokを含む9プラットフォーム対応。DeepSeek・Qwen・Mistralは現行公開リストに含まれない

複数国・複数言語・複数AIエンジンを横断してクライアントを管理したい代理店では、Citadexが有力な候補になる。一方、既存のエンタープライズSEO基盤との統合、API-firstのホワイトラベル、低価格での試験導入など、優先条件によって最適なツールは異なるため、用途に応じて比較したい。

SEO会社がLLMOサービスを始めるべき理由と市場の現状

購買前の情報収集でAIエンジンを使うユーザーが増えるにつれ、「ChatGPTに聞いたらAブランドを勧められた」という体験が購買動線に組み込まれつつある。この変化は、既存SEO顧客から自然発生的に「うちの会社はChatGPTで出てきますか?」という問い合わせを生んでいる。

従来の検索順位計測ツールが捕捉するのは、GoogleやYahoo!のSERPにおける掲載順位だ。しかし、生成AIの回答はサービスやクエリによって生成方法が異なり、モデル内部の知識に加えて、Web検索や検索拡張によって取得した現在の情報が使われる場合もある。そのため、従来の検索順位だけを計測しても、「AIがブランドをどのように言及・引用・推薦しているか」は把握できない。専用のLLMOツールが必要になる理由はここにある。

代理店としてのビジネスモデルは大きく二つに分かれる。既存SEO顧客へのアドオン販売は提案コストが低く、信頼関係がある分、合意形成が早い。一方、「AI検索対策専門」として新規顧客を獲得するルートは単価を高く設定できる反面、カテゴリ自体の認知形成から始める必要がある。どちらのルートでも、ツールの月額費用をクライアント費用でカバーしながら継続収益を積み上げる構造を作れるかどうかが鍵になる。

日本市場には固有の課題もある。日本市場向けに利用する場合は、日本語クエリをどのように処理しているかを確認する必要がある。多言語対応と書かれていても、日本語をそのままAIエンジンへ送信する方式と、内部で翻訳・変換する方式では計測結果が異なる可能性がある。しかしAIエンジンの回答は言語・地域・クエリ表現によって大きく変わる。「クラウド会計ソフト おすすめ」と「best cloud accounting software Japan」では、ChatGPTが返す回答内容もブランドリストも異なることが多い。日本語でビジネスをする顧客に正確なデータを提供するためには、日本語クエリを日本語のまま発行し、日本市場の視点から回答を取得できるツールが必要だ。

代理店がLLMOツールを選ぶ際の7つの評価基準

ツールを選ぶ前に、評価軸を代理店業務のフェーズと対応させておくことが重要だ。機能の多さではなく、「提案・納品・継続報告」のどこで使う機能かを整理してから選ぶと、過剰スペックと契約後の失敗を避けられる。

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① 対応AIエンジン数と種類

計測できるエンジンが多いほど網羅性は上がるが、重要なのは顧客のターゲット層が実際に使うAIサービスを押さえているかどうかだ。ChatGPT、Gemini、Perplexity、Copilotなどの主要サービスに加え、ECではAmazon Rufus、グローバル市場ではDeepSeekやQwenなどが重要になるケースもある。実際の計測対象は顧客ごとに設計する必要がある。

② 日本語・多言語ネイティブ計測の有無

翻訳経由の計測か、現地語で直接クエリを発行するかは、精度に直結する。デモまたはトライアルで確認すべき最優先項目だ。

③ マルチクライアント管理機能

クライアントごとにワークスペースを分離できるか、閲覧専用・編集権限を分けられるか、一括ダッシュボードで全案件のKPIを俯瞰できるか。案件数が増えるほど、この機能がないと運用コストが急増する。

④ レポート出力形式

白ラベル(自社ブランド名でのレポート出力)、PDF書き出し、APIアクセスの有無は納品フェーズの品質と効率を左右する。月次レポートをツールから直接生成できるかどうかは、継続報告のコストに直結する。

⑤ 価格体系のスケーラビリティ

クライアント数課金・プロンプト数課金・プロジェクト固定費など、課金方式はプラットフォームによって異なる。特にプロンプト数や実行回数に応じて費用が増えるモデルでは、顧客数の増加に伴ってコストも上がりやすい。契約前に現在の顧客数だけでなく、将来の運用規模まで含めて費用を試算しておくことが重要だ。

⑥ 無料トライアルの有無

日本語計測の精度確認は、実際にクエリを投入してみなければわからない。無料トライアルがあるツールは、納品前に品質を検証できる。

⑦ サポートとドキュメントの品質

英語のみのサポートと、日本語ドキュメントや日本語対応サポートがあるツールでは、チームの立ち上がり速度が変わる。現時点では多くのツールが英語中心だが、確認しておく価値はある。

日本語AI検索を正しく計測するために必要な条件

日本市場でLLMOツールを使う場合は、まず日本語クエリの処理方式を確認したい。多言語対応と表示されていても、日本語のままAIエンジンへ送信する方式と、内部で翻訳・変換して処理する方式では結果が異なる可能性がある。デモやトライアルでは、実際の日本語プロンプトをそのまま入力し、取得される回答と言及・引用データを確認するのが確実だ。

ネイティブ計測は最初から「クラウド会計ソフト おすすめ」「中小企業向け 経費精算システム 比較」といった日本語表現で直接クエリを発行する。AIエンジンは言語ごとに参照するソースの傾向が異なるため、同じブランドへの質問でも英語回答と日本語回答ではブランドリストが異なることは珍しくない。市場別の計測視点(country-level detection)が必要な理由はここにある。

日本語計測で実務上よく発生する落とし穴をいくつか挙げておく。

カタカナ表記ゆれは見落としやすい。「セールスフォース」「Salesforce」「セールスフォース・ジャパン」はAIエンジンによって別ブランドとして扱われる場合がある。計測対象のブランド名を複数の表記パターンで登録できるかどうかを確認するべきだ。

同じ意図でも、質問の言い回しや具体性によって回答内容が変わることがある。「おすすめのMAツールは何ですか?」「中小企業向けのMAツールを比較して」といった実際のユーザー表現を複数用意し、購買検討フェーズに近いプロンプトで計測することが重要だ。

購買検討では、「比較」「おすすめ」「口コミ」「料金」など、意思決定に近い質問も追跡対象に含めたい。ブランド名だけを直接尋ねるプロンプトより、実際にユーザーが候補を探す場面に近い質問を含めることで、AI検索上の競争状況を把握しやすくなる。

デモ・トライアルで確認すべき具体的な手順としては、①自社または顧客ブランドを日本語で問うクエリを5〜10本用意し、②ツールに入力して回答を取得し、③同じクエリを手動でChatGPTやGeminiに入力した結果と照合する、という流れが有効だ。回答が一致しているかどうかではなく、ツールが正しく日本語の回答を取得・分析できているかを確認することが目的だ。

複数クライアントを効率的に管理するためのプラットフォーム機能

案件数が増えるほど、ツールの使い勝手が運用コストに直結し始める。クライアントごとにワークスペースを分離できるかどうかは最低限の条件だ。同一のダッシュボードに複数クライアントのデータが混在する状態では、レポート作成時にデータを手動で仕分ける手間が発生し、ミスのリスクも上がる。

権限管理は特にチームが複数人になったときに重要になる。担当者ごとに「閲覧専用」「編集可能」「管理者」といった権限を分けられるツールは、クライアントの機密情報を守りながら複数のアカウントマネージャーが並行して作業できる。顧客にダッシュボードの閲覧権限を直接渡せるツールは、月次報告の準備コストを大幅に削減できる。

コスト構造は、クライアント数、プロンプト数、追跡モデル数、実行頻度によって大きく変わる。固定費型は予算を立てやすい一方、利用量ベースのモデルでも案件ごとの配分を柔軟に調整できる場合がある。代理店にとって重要なのは課金方式そのものではなく、顧客数が増えたときのプラットフォーム費用を事前に予測できることだ。

競合調査機能は提案資料と月次レポートの両方でバリューを発揮する。顧客のAI露出を計測するだけでなく、競合他社がどのエンジンでどの程度言及されているかを同時に可視化できれば、「競合A社はGeminiでの推奨率が高いが、御社はPerplexityでの露出が弱い」という具体的な改善提案が可能になる。

案件数が増えてきたら、一括ダッシュボードで全案件のKPI変化を定期的に確認し、変動が大きいクライアントだけ詳細を掘り下げる運用が現実的だ。新規クライアントをオンボードするときは、ブランド名・競合他社・計測クエリのセットアップに要する時間がツールごとに大きく異なる。テンプレート機能やクイックセットアップ機能の有無も確認しておくと良い。

AI検索対策を月額サービスとして設計するためのフレームワーク

LLMOを継続課金サービスにするには、スポット診断で終わらせない仕組みが必要だ。実務上うまく機能する構造は3段階に分かれる。

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ステップ1:初回AIビジビリティ診断(スポット)

最初は現状把握から始める。主要AIエンジンに対して顧客ブランドに関連するプロンプトを20〜50本スキャンし、現時点でのブランド言及率・競合比シェアオブボイス・引用されている情報源を可視化する。このフェーズで使うのはツールのプロンプトスキャン機能と引用元分析だ。診断レポートを初回提案書として使えば、顧客が「いま自分のブランドがどう扱われているか」を初めて目にする機会になり、継続契約の動機づけになる。

ステップ2:継続モニタリング(月次)

設定したプロンプトセットを毎月自動スキャンし、ブランド言及率・推奨頻度・シェアオブボイスの推移を追跡する。ここでは自動モニタリング機能が中心になる。月次レポートに追加するKPI例としては、①主要AIエンジンでのブランド言及率(全回答中のブランド登場割合)、②競合対比のシェアオブボイス、③推奨頻度の前月比推移、④AIが引用している自社サイトのURL別カウントが有効だ。既存SEO月次レポートに2〜3ページ追加する形でAI検索指標を加えれば、顧客への説明コストを最小化できる。

ステップ3:最適化施策の実行と効果測定

モニタリングデータから「どのコンテンツがAIに引用されているか」「どのクエリカテゴリで露出が弱いか」を特定し、コンテンツ改善・被引用元強化・構造化データの整備といった施策に落とし込む。ツールのコンテンツ推奨機能や引用元分析が、施策の優先順位付けに使える。

この3ステップを「診断フェーズは初月のみ、ステップ2と3は月額継続」として設計すると、初月に価値を体験させてから継続に誘導するSaaS的な販売モデルが成立する。

代理店規模・用途別のツール選定シナリオ

シナリオ1:小規模SEO会社(クライアント5社以下)が初めてLLMOを追加する場合

優先すべきは低コストでの試行とシンプルな設定だ。無料トライアルがあり、エントリー価格が明示されているツールから始めるのが現実的だ。この段階で白ラベルやAPI連携は必須ではない。計測対象のAIエンジンは顧客が最も使うもの(日本市場ならChatGPT・Gemini・Perplexity)に絞り、プロンプト数を最小限に抑えて費用を管理する。Otterly.aiは月額$29から始められ14日間の無料トライアルがある。AthenaHQは無料のEssentialティア(非公開)から試せる。

シナリオ2:中規模代理店(クライアント10〜30社)が月額サービスとして本格展開する場合

マルチクライアント管理・白ラベルレポート・スケーラブルな価格体系が必須になる。クライアントごとのワークスペース分離と権限管理が整っているか、プロンプト数が増えたときの費用構造が予測可能かを重点的に確認する。Profoundのエージェンシープランはピッチワークスペースを含み、複数案件を横断した提案・管理を想定した設計になっている。Scrunchもエージェンシープランを提供しており、AI Bot Trafficの帰属分析が月次レポートに独自の付加価値を与える。

シナリオ3:大手広告代理店がエンタープライズ顧客向けに提供する場合

SLA・セキュリティ要件・カスタム契約・専任サポートが重要になる。エンタープライズ向けには、BrightEdgeのような既存SEOプラットフォームと統合できる環境か、Goodieのようにエンタープライズ機能と代理店向け運用を両方提供するツールが選択肢になる。BrightEdgeはAI Catalystの公式製品ページでChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsを主要対象として明示している一方、最近のAI Search研究ではGeminiやGoogle AI Modeも扱っているため、契約時には実際に利用できるエンジン範囲を確認したい。

シナリオ4:日本国内専業の代理店が海外進出クライアントのグローバルAI露出を管理する場合

多言語・マルチマーケット対応が最重要になる。英語・日本語・中国語・韓国語など複数言語でプロンプトを設定でき、DeepSeekやQwenを含む複数のAIエンジンを横断して追跡できることが望ましい。グローバルブランドの場合、同じブランドへの同じ質問でも市場や言語によって回答が異なるため、市場別の計測視点が必要になる。この条件では、複数言語・複数市場に加えてDeepSeekやQwenを含むAIエンジンを一つの環境で追跡できるCitadexが有力な候補になる。

LLMOサービス導入時によくある失敗パターンと回避策

失敗パターン1:英語圏向けツールを日本語市場にそのまま適用する

計測精度が低いまま顧客に報告してしまうケースだ。「日本語対応」と公式サイトに記載があっても、翻訳経由の計測なのかネイティブ計測なのかは明記されていないことが多い。回避策は、デモ段階で実際の日本語クエリを5〜10本投入し、ChatGPTやGeminiに手動で同じクエリを入力した結果と比較することだ。取得できた回答が日本語で、かつ内容に整合性があるかどうかを目視で確認する。

失敗パターン2:プロンプト数課金でコストが想定外に膨らむ

クライアント数が増え、各クライアントのプロンプトセットが充実するにつれ、月額費用が倍増するケースがある。契約前にやるべきは費用試算だ。現在のクライアント数×1社あたりの計測プロンプト数×単価で月額を計算し、さらに1年後に想定するクライアント数で同じ計算をする。スケール後の費用が許容範囲に収まるかを確認してから契約する。

失敗パターン3:顧客が重視するエンジンがカバーされていない

「導入後にGeminiが未対応だとわかった」という事例は実際に起きる。回避策はRFPチェックリストを作ることだ。確認項目として、①対応エンジンの完全なリスト(公式サイトで確認)、②エンジンごとの計測方式(API連携かスクレイピングか)、③新エンジンが追加される際のロードマップ公開方針、の3点を商談前に確認する。顧客業種ごとに「このクライアントが使うエンジンはどれか」をセットで把握しておくと、選定ミスを防げる。

失敗パターン4:モニタリングが目的化してしまう

データを取るだけで施策に落とし込めないケースは多い。ツールが出すインサイト(「このURLが引用されている」「このクエリカテゴリで競合に負けている」)を施策に変換するワークフローを最初に設計しておく必要がある。具体的には、月次レポートの「来月の優先施策」欄に、引用元分析から導いた「このページの内容を更新する」「この質問に答えるFAQを追加する」といった具体的なタスクを毎回記入するルールを設けることが有効だ。

代理店がクライアントにAI検索対策を提案する際の説明フレーム

顧客がLLMOの必要性を理解していない場合、いきなりツールの話をしても刺さらない。まず情報収集行動の変化から入るのが有効だ。

説明の順序として、①「生活者・購買担当者がAIエンジンに『おすすめのXを教えて』と聞くようになっている」という行動変化から始め、②「生成AIはモデル内部の知識に加え、サービスによってはWeb検索や検索拡張で取得した現在の情報も参照して回答する」と簡潔に説明し、③「計測していないと、自社ブランドがどのように言及・引用・推薦されているか把握できない」という機会損失を示す。この順番で説明してから、ツールを使った現状診断の話に進む。

提案書に盛り込むべき数値化ポイントとしては、現状のAI検索でのブランド言及率(主要プロンプト100本中、何本の回答でブランドが登場したか)、競合他社との比較シェアオブボイス(同じプロンプトセットで競合は何本登場しているか)、改善余地の大きいプロンプトカテゴリ(製品カテゴリ別・購買段階別で露出が弱いエリア)を挙げると、顧客が「どこを直せばいいか」を視覚的に理解できる。

「SEOとの違いは何か」という質問は必ず来る。明確な回答は次の通りだ。従来のSEOはGoogleやYahoo!の検索結果でのランキングを最適化するものだ。LLMOはAIエンジンが回答を生成する際に自社ブランドを引用・言及してもらうことを目的とする。計測対象も評価指標も根本的に異なる。両方を並行して行う必要があるが、最適化のアプローチは別物だと明確に伝える。

月次レポートのサンプル構成として、表紙(対象クライアント・対象月・担当者名)→AI露出トレンド(言及率・推奨頻度の前月比グラフ)→競合比較(シェアオブボイスの比較表)→今月実施した施策と結果→来月の優先事項、という5ページ程度の構成が実務的だ。既存のSEO月次レポートに「AIセクション」として2〜3ページ追加する形であれば、新規フォーマット作成の手間を最小化できる。

ツール別詳細:代理店視点からの評価

AthenaHQ

元Google SearchおよびDeepMindのエンジニアが創業したY Combinator支援スタートアップ。Starterプランでは11モデルをカバーし、モニタリングにとどまらず施策実行のためのAIエージェント機能を内包している点が他と一線を画す。無料のEssentialティア(300クレジット)から始められるため、初回診断フェーズの検証コストを抑えられる。課金がクレジットベースのため、スケール時の費用試算は契約前に必ず行うこと。

BrightEdge

BrightEdgeは、既存のSEO業務とAI検索分析を同じ運用体系で管理したいエンタープライズ企業や大手代理店に向いている。AI Catalystの公式製品ページではChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsを主要対象として明示している一方、BrightEdgeの最近のAI Search研究ではGeminiやGoogle AI Modeも分析対象として扱っている。実際に契約プランで利用できるエンジン範囲は導入前に確認したい。価格はカスタム設定で、セルフサービス型ツールと比べると導入ハードルは高い。

Citadex

Citadexは、ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、Copilot、Grok、DeepSeek、Mistral、Qwen、Google AI Overviews、Google AI Modeの11エンジンをカバーし、日本語を含む複数言語・複数市場でAI可視性を追跡できる。

代理店向けでは、クライアントごとにプロジェクトを分離して管理できるため、複数ブランドのプロンプト、競合、引用元、AI可視性データを一つの環境で扱いやすい。モニタリングだけでなく、可視性ギャップからコンテンツ制作・改善まで同じワークフローで進められる点も特徴だ。

また、Partner Programを通じて、自社でLLMO基盤を一から開発せずに既存顧客向けのAI Searchサービスを立ち上げたい代理店にも対応する。

特に、国内だけでなく海外市場を持つ顧客や、複数の国・言語・AIエンジンを横断して管理する案件との相性が良い。一方、完全カスタムドメインによるOEMだけを最優先する場合は、契約前に対応範囲を確認する必要がある。

Goodie

Goodieはブランド向けプランに加えて、代理店向けのAgency Growthを提供している。月10件のPitch Workspaceで見込み顧客のAI可視性を診断し、受注後はClient Workspaceへ移行できる。Agency Growthは月額$350からで、Client Workspaceは月額$399から追加する構成だ。AI可視性の監視だけでなく、コンテンツ最適化や収益帰属まで一つのワークフローで扱える点が特徴で、Enterpriseでは最大12モデルをカバーする。クライアント数が増えるとWorkspace費用も増えるため、顧客単価とのバランスを事前に確認したい。

Otterly.ai

月額非公開から始められ、低コストでAI検索モニタリングを試しやすい。標準プランではChatGPT、Google AI Overviews、Perplexity、Microsoft Copilotの4エンジンを追跡し、Gemini、Google AI Mode、Claudeは有料アドオンとして追加できる。50か国以上のマルチカントリー対応とワークスペース機能もあり、小規模代理店がLLMOサービスを試験導入する際の選択肢になりやすい。複数の追加エンジンを利用する場合は、基本料金だけでなくアドオンを含めた総額で比較したい。

Peec AI

ブランド向けプランとは別に、代理店専用のAgencyプランを提供している。複数クライアントを一つのアカウントで管理でき、クレジットを案件ごとに配分できる点が特徴だ。標準で6つの主要AIモデルを扱い、上位構成ではより多くのモデルを選択できる。Agency Essentialは月額非公開から。複数ブランドを運用する代理店には使いやすい一方、プロンプト数・モデル数・実行頻度によって必要クレジットが変わるため、契約前の費用シミュレーションは必要になる。

Profound

代理店向けのAgency Modeでは、見込み顧客向けのPitch Workspaceと、契約後の顧客を継続管理するClient Workspaceを分けて運用できる。Agency Growthには月10件のPitch Workspaceと5席が含まれ、Client Workspaceは1社あたり月額非公開で追加する構成だ。提案段階のAI可視性診断から契約後の継続モニタリングまで一つの環境で管理しやすい一方、管理するクライアント数が増えるほどWorkspace費用も増えるため、代理店は顧客単価とのバランスを事前に試算しておきたい。

Scrunch

AIエンジンからの流入やReferralを分析できる点は、ROIを重視するクライアントへの提案に使いやすい。代理店向けのAgency Coreは月額非公開からで、非公開の無料トライアルがある。上位構成ではChatGPT、Claude、Perplexity、Gemini、Meta AI、Google AI Mode、Google AI Overviews、Copilot、Grokの9プラットフォームをカバーする。API-firstの設計やwhite-label outputsもAgencyとの相性が良い一方、DeepSeek、Qwen、Mistralは現行の公開対応リストには含まれていない。

よくある質問:SEO会社・代理店向けLLMOツール選定FAQ

Q1: 既存のSEOツール(例:順位計測ツール)と併用できますか?

LLMOツールはAI生成回答内のブランド言及・推奨・引用を計測するもので、従来の検索順位計測ツールとは計測対象が根本的に異なる。GoogleのSERPでの表示順位とChatGPTでのブランド言及率は別の指標であり、基本的に両方を並行して計測することが前提になる。既存のSEO月次レポートにAI検索指標を追加するかたちで統合するのが実務上スムーズだ。

Q2: 日本語対応と書いてあっても、実際の計測精度はどう確認すればいいですか?

無料トライアルで実際の日本語クエリを複数パターン入力し、同じクエリをChatGPTやGeminiに手動で入力した結果と比較することが最も確実だ。「おすすめの〇〇ツールを教えてください」「〇〇業界で使われているSaaSは?」といった購買検討フェーズの表現を5〜10本用意して試す。ツールが返す回答が正しく日本語で取得・分析されているかを目視確認した上で、継続利用の判断をすること。

Q3: クライアント数が増えたときの料金はどう変わりますか?

課金モデルがクライアント数課金・プロンプト数課金・プロジェクト固定費のいずれかによって、スケール時のコストは大きく変わる。契約前に「現在のクライアント数×1社あたりの計測プロンプト数」と「1年後の想定クライアント数での同計算」を試算し、許容範囲に収まるかを確認してから契約する。プロンプト数課金型は特にクエリ数が増えるにつれ費用が急増しやすいため注意が必要だ。

Q4: ChatGPTだけ計測できれば十分ですか?

利用されるAIサービスは、業種・用途・対象市場によって異なる。ChatGPTだけでなく、Gemini、Perplexity、Copilot、Google AI Overviewsなども候補になり、ECではAmazon Rufusのような専用AIサービスが重要になるケースもある。最初から特定のエンジン数を固定するのではなく、顧客のターゲット層と市場に合わせて追跡対象を選ぶのが適切だ。

Q5: LLMOの効果が出るまでどのくらいかかりますか?

一律の期間は決められない。AIサービスごとに回答生成やWeb参照の仕組みが異なり、施策内容や対象ページのクロール状況によっても変わる。更新後は単発の回答だけで判断せず、同じプロンプトセットを継続的に計測し、複数回の観測で言及率・引用元・推奨頻度の変化を確認するのが実務的だ。

Q6: 白ラベルレポートに対応しているツールとそうでないツールの見分け方は?

各ツールの料金ページや機能比較ページで「white label」「agency report」「branded report」「custom domain」といったキーワードを検索する。これらの記載がない場合は、営業担当やサポートチャットに直接「クライアント向けに自社ブランド名でレポートを出力できますか」と確認するのが最も確実だ。白ラベル対応の有無は代理店にとって月次レポートの品質と納品コストに直結するため、契約前に必ず確認すべき項目の一つだ。

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